楽しい缶
子どものころに、こういうのが好きだったなあというキーホルダーを、いまでもよく見つけては買っている。
それを、円柱型のカンカンに詰めて、のぞき込んで楽しい缶。
ルールは、とにかく自分が楽しいと思ったものを集めることだけ。
とくに心をくすぐられたものたちを並べてみたけれども、なんだか、大分むぎ焼酎二階堂のコマーシャルを見たときのような、寄る辺なく哀しい気分になってしまった。手に入れてとても嬉しかったものだから、楽しいはずがさ。
私の部屋は白くて、つかみどころがなくて、そこに置かれた喜びさえ、どこにも帰ることができないでいるみたい。
ああ子どものころに好きだったものって、あとあと泣かせるよなあ。