ひらりろぐ。

心にもない言葉より沈黙

2018-01-01から1年間の記事一覧

少女漫画なんて嫌いだと、

少女漫画なんて嫌いだと思っていた。 10歳前後で出会ったそれらは、私に夢を与えたけれど、実際に訪れた教室での日々は良いことばかりではなかったし、好きなひとにはそもそも彼女がいるもので、私を好きだと言ってくれるひとのことは好きじゃなかったりした…

きみにごめんね

人間だからどうしても意地悪な部分はあるし、 気に入らないものごとや好き嫌いもある。 だけど、思い出してみれば、 出会った一番最初は、そんなことはなかったはずなんだ。 顔を合わせて、これからよろしくねなんて笑ったはずなんだ。 その瞬間が薄れないで…

いいこと思いついた

クラス替えのたびに、「あきこちゃん?」と呼ばれて、「しょうこです」と返すのにうんざりしていた私は平成6年生まれ。 自分の名前は一発で呼んでもらえなくてめんどうだな、なんて思っていたけど、自分の名前を好きになるのに15年、自分の今に納得できるよ…

ねころんで夢をみる

夢は、様々にかたちをかえて、常にそばをついてくる。 あるときは空の色になって、移り変わる心や時間の経過のことを意識させて、ここに感じたものを書けと促すし、 あるときは口遊む懐かしい歌になって、あの頃の自分と重ねて見せようとする。 日の目をみる…

私のなかの宙ぶらりんたち

ブログって、実は下書きこそ面白かったりして・・・ひとの目に触れるほどの言葉じゃないからと、そのままもう出ることのない言葉たちの待ちぼうけ感とか 続きのつながらない言葉、飲み込んでしまった言葉のいじらしさそんな言葉がひとのなかにはどれだけある…

父が定年退職する。

いつも通りの終業時間のあと、いつも通りの道を帰りながら、よくすれ違う自転車のおじさんと、例によってすれ違ったとき、「あ、お父は最後の仕事から帰ってくるんだろうな」と、きゅっと肌に擦り込まれるような気持ちで思い出した。 朝、私の部屋をすこし覗…

ほんとうに寂しくなったときには

今週のお題「おじいちゃん・おばあちゃん」▫❅▪▫❅▪ 開けることのできないペンケースがある。銀色の缶のペンケースは錆びていて、とてもきれいではない。 それは今年の七月にもらった、おばあちゃんのペンケースだった。彼女は小さな部屋で、いつもキャンパス…

ひかり

木陰の曲がり角を抜けた道には、目をつむってしまうほどの陽があたり一面にこぼれていた。両側に同じような一軒家が静かに隣り合っている、左右対称のその道には私以外にはひとがいなくて、そこで、私ひとりくらいは簡単に消してしまえるほどの強い陽にぶつ…

なにもないけど

アルバムなんて感傷なのだと思った 文化祭のお祭り騒ぎや、あんな卒業写真でさえだけどそこには、過去のまだない、生まれたての笑顔があって、それだけは価値のあるものだと思う そのときにしかない表情が、あの子にも私にもあった 一度きりしかない時期の、…

高校生の日の9月

私、すごく好きなひとがいて、 高校時代はそのひととの出来事を逐一ブログに書いていたんだ。バカだったから。 ひらりろぐ時代よりも前、なにかそれっぽいブログ名をつけて、憧れてた名前をユーザー名にしたりして。ほんと、バカだったから。で、そのバカさ…

ひとりっこ

若い母が、写真のなかで明るい服を着てピースサインなんかしている。 自転車を脇において、仲間とずらっと並んでいる。 わたしなどまだ影もなく、わたしのことなど考えていない母の笑顔。だけど今日みたいな地震の朝、母はあのころの仲間の安否のことなどつ…

帰途の坂を登る

出かけたあと、帰途のもの惜しさだ。 そのころにはもう、あたりは静かになりかけていて いい具合に疲れたひとの波があり オレンジ色がある。そのころにはもう、朝、いさんでドアを閉めたときの足どりや 色や景色は遠い一日のように感じられてしまう。そして…