少女漫画なんて嫌いだと、
少女漫画なんて嫌いだと思っていた。
10歳前後で出会ったそれらは、私に夢を与えたけれど、実際に訪れた教室での日々は良いことばかりではなかったし、好きなひとにはそもそも彼女がいるもので、私を好きだと言ってくれるひとのことは好きじゃなかったりした。そんなふうに自分の心しだいで平気でひとを傷つけて、もちろん傷つけられた言葉もあった。
けれども、今また少女漫画と再会して、その色にとんとはまってしまっているのでした・・・
過ぎ去ってきたから美しく見えて、いくらでも美しく語ることができるけれど、それはやっぱり、少しずつ忘れていっているからかもしれない。
少女漫画の主人公と同じ歳だったころのことは、上に書いたとおりだと思ったから書いたけれど、本当は、そんな風にまるっとまとめられるわけがない。あの時間軸のなかの私は、いつかこの日々がまとまって見えてくることなんて知らなかった。
なのに私は、ああいう一行でまとめて納得できてしまうんだ。
そしてそれがちっとも苦しくないんだ。
ちっとも。