郵便やさんのこと
もしも
郵便やさんがいなくなったら
きっと
町は冷たくみえるだろう
喧騒に満ちた大通りの隅っこを走っている
郵便やさんを
そんなふうに見ている
ああなんてすばらしいひとたちだろう
最近、10年以上ぶりに小学生のころの恩師と手紙をやりとりさせていただいているのだけれど、恩師の手紙は変わらずにやさしくて、ドキドキしながらポストをのぞいている。郵便やさんは、こういうふうにひとの気持ちを運んできて静かにおいていてくれるのだ。彼らが町のやさしい風になっている。
これから出会うひとで、よくしたいと思うひとがいたらこうした時間のかかる形で過ごしたいなあ。けれども、そんなことを言ったらきっと冗談を聞いたみたいに笑われて、まずID教えてと言われるだろう。ああいやだなあ。画面上でしか話せないひとなんて、大事に思えるわけがないじゃない。