ひらりろぐ。

心にもない言葉より沈黙

「ふ」と

あ、こがれる

とおくから見つけたのは ピンク色のシャツを着ている彼 ピンク色のシャツが ではなくて 彼 わたしのあこがれの ひとなんだ

わたしのメルヘン

夜中など 眠れないときに詩をそらんじることができればどれだけ救われるだろうかと思いました。そうして、 ❝秋の夜は はるかの彼方に……❞と 「一つのメルヘン」を思い浮かべてはみましたが、どうしても、川床に水が流れゆくという終末までたどり着くことがで…

郵便やさんのこと

もしも 郵便やさんがいなくなったら きっと 町は冷たくみえるだろう 喧騒に満ちた大通りの隅っこを走っている 郵便やさんを そんなふうに見ている ああなんてすばらしいひとたちだろう 最近、10年以上ぶりに小学生のころの恩師と手紙をやりとりさせていただ…

出かける寸前まで

服を着替えて 鏡をのぞき込んで マフラアを巻いて コートを着て 花粉対策のクリスタルヴェールさんを 鼻のまわりに塗りまでしたところで やっぱ、 出かけるのをやめたから コートを脱いで マフラアをとって ブラジャーを外して部屋着に戻った 一瞬で気が変わ…

オレンジ色が好きでたまらない

『アルジャーノンに花束を』 の表紙が こんなにすてきなオレンジ色なのも

瞳のおやすみ

目薬って好きだな 手のなかにコロンとおさまるかんじ そのなかに漂う清涼さ、 透明がゆらゆら揺れているさまを みることができるから好き たまに、 目薬をさすと鼻?口?に流れてきて 苦手だという人がいるけど 私はそれにならないで 目薬をさして 目の端に…

ギルバート・グレイプ

ギルバートの髪が 長髪じゃなかったら あの映画 そこまでよくなかったのではないかと 考えながら目覚めた

レイモンドさん

読んだ本のなかで大学生活をあらわすとしたら、こう ナンセンスの絵本なんて 授業がなければ出会うことはなかったはず こういうことを縁だといいたい 法学部だったけど、好きで参加した英米文学のほうが印象的だなあ カーヴァーの本は、心地よい本 関係ある…

眠りノート

真夜中に ゲリラ的に 記した文章など みる勇気はないので ノートはずうっと 眠り続けている その日 わたしが眠れなかったぶんを 取り戻すかのようにね

さんざめき

寝て起きたら この町も 好きな人も なにもかも捨てて 東京に行って まあ それはそれで心を挫くかもしれないが とかなんとかおもった 23歳そこそこで 心を挫くというのは必要な経験でもあるのだが その狭くなった心に この町を映したくない 逃げとは到着する…

秋の太陽

高畑充希さんのいない朝はさみしい 今日なんか めっきり寒くなった ようく晴れているけど 彼女のようだ 太陽は 光り そして ひんやりとした風が さらっていってしまうのだねえ

ちいさな ちいさな

思ってもないところに 育つ気持ちなどがある 芽がでてきて初めて知るので あなたは? と問わねばならぬのに いまだ芽であるから なにを魅せたいのか、 咲くまで見えぬ おなじ心のうちに 名前をもたずに存在する諸々

ゆるやかなまるみ

しばらく話さなくても 日本語を忘れることはないだろう はて、なぜ私はこの文字を操ることができるのか ゆるやかなまるみをおびたひらがな (もっともやさしいので好きだ) (書いてみて気付いたが、ゆるやかなまるみというひらがなは 軽やかで素晴らしい響…

七日間の生命はどこへいったのか

のべつ鳴き続ける生命 憐憫のような尊び あるいは無関心で 傍目に彼らをみていたが 鳴き続けるという選択のもとでの 七日間は立派なものである 泣き続けるも 笑い続けるも ともにリスクであるなら 笑い続けて三十年があれば万々歳だ けれども 情や 思いやり…

せわしない人びと

一粒の雨 途端にせわしなくなる人びとと おなじ道の上 久しぶりに学校へ行く途中 知らない建物が二軒 真新しくてなじんでいない看板と その前にはなにが在ったのかも 思い出せない私 四年間の通学路 見えていないことが たくさん 見ているつもりの 道の上 せ…

選手交代

黙っておくにかぎるこのように静かに 夕ぐれがおとずれようとする 夏の最後の日々にはそろそろ秋がバトンタツチしようと 一吹きけれども 夏はまだ行きたくないみたい

いいこと

夏の午前中 ひとりでいるのはいいな すこし秋めく風に洗濯物が揺れて ふわっと香るのもいいし 山の緑が映えているのももいいし 明日からも夏休みであることが なお いいな

夏と奴

ゆくさきを見逃すまいとしても 一瞬、身をひるがえしては瞬く間に姿を消す そうなればもう神経戦である けれども! 奴は迂闊にも 私の手の甲にとまった おやおや 私はお前をたたかずにはおれないよ お休み 今年の夏はどうだった 蚊

雑巾のような猫

小さくてくたびれた黒猫が 朝の道路のまんなかに佇む姿は まるで雑巾 けれども その瞳はビー玉のようで その瞳をもっていれば じゅうぶんやっていけるだろう と 見つめていると 車にきづいて茂みにかけていったまま 宝物は隠されてしまった

朝のまにまに

うそ寒い明け方、 まどろみながら ほうりだした足に布団をかけなおして また眠った。 起きると、うれしいことに母が ツナ缶を開けてツナトーストを作っておいてくれた。 (しかも、チーズをのせてね) いつもみたいに朝の散歩をしてからいただけば もっと美…